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ことば彩り
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ことば彩り
長月
「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り
かき数うれば 七種の花
萩の花 尾花葛花 撫子の花
女郎花 また藤袴 朝顔の花」
秋の七草は万葉集のこの歌で
山上憶良が選定し今に至っていいます
春の七草はお粥などで「食」を楽しみ
秋の七草は「見る」を楽しむもののようですね
万葉集に出てくる朝顔は、実は桔梗のこと
毅然と美しいむらさき色の花は昔から
武士に好かれていたとか
なぜなら桔梗の文字は
「更」さらに「吉」よしという縁起だからです
古人のシャレっ気って素敵ですね
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ことば彩り
葉月
愛情・熱烈な恋・美・幸福・・・
そんな花言葉が備わるほどに
バラは誰が見ても単純明快に美しい花です
誕生日のレストランでは
真っ白なテーブルの上にバラがそっと置いてあったり
ヨーロッパでは、浴室や、寝室などに
花びらを敷きつめて来客をもてなしたり
香水の原料に使われていたり・・・
様々なバラを使った演出は
時代や男女の別なく贈る側の気持ちを高め
そして夢のように人の心を打つようです
ささやかな真意に気付くことが出来るような
豊かな感性を持って生きていきたい
それだけで・・・なんてばら色の人生
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ことば彩り
文月
夜明け前のお城やまわりの公園は
とても深い群青色に満ちて
まるで静かな海の底のようです
夜通し星空から降りそそいだ「気」が
あふれんばかりにたっぷりと溜まっています
やがて静かな朝の白い光が射し込んだとき
「気」は、はじけるように輝やいて飛び散り
あたり一面の木や鳥や人々の上に滴り落ちて
さわやかな祝福をしてくれる・・・
姫路城で早朝にジョギングをしていますが
堀端で鴨や鷺に交じって翡翠が
水浴びのしずくを光らせているのを目にした時
その極彩色のあまりの美しさに
朝のそんなイメージが浮かんできました
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